かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

凄腕ボランティア

2歳の幼児が68時間ぶりに保護された。
奇跡。ほんとうに良かった!

発見、保護したのは凄腕ボランティア、尾畠春夫さん78歳。
「自己完結、自己責任、ケガしても自己責任」何があっても自分で責任を取るという。

囲み取材で保護した時のいきさつを語る。

「あっ!」
彼の手(小指)にトンボが止まった。


野外でトンボがヒトの身体に止まることはたまにあるけれど。
このシーンだけは息をのんだ。
それは。まるで。
トンボがお礼を言いに来たように見えたから。

日本では古くはトンボのことをアキツ(秋津)と呼んだ。
初秋に群れをなして飛来するところから、祖霊が姿を変えて来たとの俗信があり、捕ることを忌む。

これはたぶん、アカトンボのことではないかと思うのだが、私にはこのシーンだけはそのように見えた。


何度観てももらい泣きしてしまう。この場面。


でもよく見てほしい、尾畠さんの手を。
この手の爪の汚れを。
これは自然と共に生きている泥の痕。これこそ本物のしるしではないのか。
スタジオのカメラの前でヘラヘラ講釈しているコメンテイターやスマホを早打ちする色白の華奢な手なんかじゃない!

「人の命より重いものはこの地球にはない」
この人のこの精神。凄い。

私には真似などできないけれど、「イデオロギーよりアイデンティティー」、その精神は学び取れる。

私も含めて学ばなければならないことがたくさんある気がする。

スターマーク