かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

ユキノシタ

窓から小さな坪庭が見える。

先代の残り物なのか、ユキノシタが咲いている。

風に揺れながら

花弁は5個。上3個は小さく立ち上がり,下2個は大きく垂れ下がる。
上側3個の花弁の中央付近には,赤い斑点があり,基部には黄色の斑点がある。
雄しべは10個が放射状に広がる。雌しべは2個で,子房のまわりを黄色の花盤が半円形に囲んでいる。

ユキノシタユキノシタユキノシタ

何度も呟いてみる。

名前の由来は冬でも葉を枯らすことなく,雪の下で耐えているからという。

ユキノシタユキノシタ

2階で孫が歌っているのが聞こえてくる。

ユキノシタユキノシタ

もしや、私に見せたくて咲いてくれているのか?

小さな声だけど、何かが聞こえてくる。

「おーい、元気出せよう」って。

こんなありふれた一日がいつまでも続きますように。

気が付けば、ひとすじ涙が流れていた。

ユキノシタユキノシタ

 

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