神様。
いつかいつかと思っているうちに
そのいつかがいつなのか
分からないくらいに歳を取ってしまって
私の明日がほんとうにあるのかも自信なさげで
「もういつ死んでもいいよ」と
もうひとりの私がささやく
すぐにもうひとりの私が言い返す
「まだまだ、明日があるよ!」
ほんとうの私はいったいどちらなんだろう
すい臓がんが見つかって丸4年、5年目に突入した
私はまだ生きている
朝、目覚めて枕元の「お守り袋」にお礼を言う
「ありがとうございます、今朝も目覚めました」
ポストの朝刊を取り、すぐ下のなでしこにあいさつをする
「おはよう」
「スカーレット」のジョージ富士川じゃないけれど
いつもと変らない一日は特別な一日だと思う
どこかできょうも生き物が、人々が生きている…
もしも、「神様」と言える物体がいるとしたら
それは一人称じゃなく、三人称複数形だと思う
私を取り囲む生き物や人々が私に魂を与えてくれている
だから私は生きながらえている
すべてのものが「神様」なのだ
「ありがとう」
私は大きく深呼吸をする