スカーレット
3月28日。7:18起床。血圧114/62、脈拍68、体温36.4℃。
「今朝も目覚めました。ありがとうございます。」枕元の「お守り袋」に感謝する。
いつもと変わらない日。
きょうが私の一日なら 私はどんな一日にしますか?
いつもの朝食。
テレビの画面に食が止まる。
きょうは「スカーレット」の最終回。
喜美子の息子、武志は「ナレ死」で描かれた。「ナレ死」とはナレーションで死を表現すること。
きょうが私の一日なら 私はいつもと変わらない一日を過ごすだろう
そして
いつもと変わらない一日は 特別な一日
武志が言った言葉はこのドラマの言いたかった事だと思う。
「みんなの陶芸展」。そういえば、むかし陶芸教室に通っていた頃、作品展に出展したことがあったっけ。その時の画像を探してみた。あった、見つかった。
作品名「最後の晩餐」。2002年10月14日とある。当時は両親の介護をしていた頃。その経験からこんな名前をつけたのだろう。せめて最後の食事くらいは自分で作った器で食べたい…、と。懐かしいなぁ。
脚本家・水橋文美江さんは執筆中に親しい友人をすい臓がんで亡くされたそうな。しかも1年足らずで。私は2年半も生きている…。
陶芸家・神山清子さんの半生を参考にして作られたという。その神山さんも息子さんを白血病で亡くされたとか。
「私が守ったる!」と言っておきながら武志を守れなかった喜美子は「私はうそつきや」と自分を責める。けれど、それは仕方ない事。めそめそしていられない。
そう、今日という一日はいつもと変わらない一日だけど、特別な一日なんだ。土を見て、炎を見て、前を見て生きてゆくしかないんだ。
それにしても「役者」って凄いな、と思う。喜美子、八郎、武志、照子、直子、信作、真奈ちゃん!、サニーのマスター。みんなうまい!
こんなにも泣いたドラマはなかった。朝ドラの中でもいい意味で逸脱した稀有な見ごたえのあるドラマだった。5年後、10年後も思い返すドラマだろう。私が生きていたらの話だけれど。