かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

Aちゃんのこと

Aちゃんは私の大事な友人。もと同僚。
以前にこの「業界」から足を洗い、犬猫の里親支援施設で働くと聞いた時、
私は「天職だな!」と激励した。
そのAちゃんが施設を辞めたと聞いた。
なぜ?衝撃が走った。
何があったん?
真相が聞きたかった。
 
Aちゃん宅を訪ねた。
家には4頭の犬がいた。
 
みちる11才。

 
レガ6才。

 
かもめ4才は体重60㌔超!

 
そして里親さんが決まったサーチは一時預かり中。♂推定2才。虹彩が茶色。「無駄吠え」が原因で戻されたサーチはAちゃん家へ来たら吠えなくなったという。

 
手厚い歓迎のあとはすぐに平常に。甘噛みされた手腕はべとべとになっていた。
突然の訪問者に唸ることもせず、鼻を近づけてくる。
首筋を撫でてやると気持ち良いのか横たわり腹を向ける。
 
手作りの晩ごはんをご馳走になった。
塩麹」で漬けたサバの竜田揚げが美味い。
 
Aちゃんはすべてを話してくれた。
話を聞きながら、私は私の考えの甘さに情けなくなっていた。
話を「聞いてあげる」ことで少しでもAちゃんの気持ちが落ち着けばいいのでは、とそんな高飛車なことも思っていたのだ。
 
しかし、Aちゃんはそんな弱虫ではなかった。
自らの精神的苦痛は自らの手で解決するしかない。病気にならなくて良かったのだ。
その一方で、
何頭もの犬を救い、助け、再生し、犬の気持ちを理解し、犬への愛情を惜しまない。
それは尊敬に値する。
私はこれからもそんなAちゃんを支援し続けるだろう。
Aちゃん、話してくれてありがとう。
 
此処には静かな時間が流れている。
それは犬たちにとって幸せな時間。
みちる、レガ、かもめ、そしてサーチ。
良かったね。
 
4頭の犬を見ていたら、無性にこじろうに会いたくたってきた。
「Aちゃん、帰るわ。ご馳走様!」
 
こじろう、待ってろよ!

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