かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

里山とは

3日間、同じ場所で仕事をした。
しかも夜明けから日没までの長丁場。
目の前の実りかけた水田と山並みを見続けた。



農道にヒグラシが死んでいた。
拾い上げるとセミヤドリガの幼虫が寄生している(矢印)。
セミヤドリガの幼虫はセミ(おもにヒグラシ)の体に寄生して体液を吸って成長するという。セミの死因は何なのか。このあとヤドリガはどうなるのか?



ベッコウバチが大きなクモを捕まえて這っている。
腹に橙色。オオモンクロベッコウなのか。
クモはアシダカグモ
このあとこの石の隙間にクモごと消えていった。
クモ類を狩って産卵し、幼虫の餌にするという。



オニヤンマがイノシシ除けの電柵に止まって羽を休めている。
でかい。体長10cmはゆうにある。
幼虫から成虫になるのに2年以上かかるという。



この水田にはカルガモの雛が棲みついている。
夕方には畦に出てきてひと休み。
ゆっくりと日が暮れてゆく。



通勤途中だという地元のおじさんと親しくなった。
おじさんは10年前に土地を買い、自力でログハウスを建てたという。
鳥にも詳しく、「きょうは何が出た?」それは言えません!
「家にも寄ってくれ」と電話番号と名前の書いたメモをくれた。
いい人だと思った。
時間があればぜひ寄ってみたい。でも夜明けから日没までなのだ。

里山にはかならず人がいる。
私は生き物も好きだけど、人も好きだ。
人間は本来善玉なのか、悪玉なのか?
よく知らないが、私は人を信じたい。
体はくたくただけど、この豊かな気持ちを与えてくれる人と生き物に感謝したい。

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