さつきちゃん。
犬から「バレンタインチョコ」を貰ったのは初めてだ。
「五月からのプレゼントです。」
寒い朝に自転車でわざわざ家までSさんの娘さんが届けてくれた。
「えーっ!まさか!いいんですか!ありがとうございます。」
言葉にならなかった。嬉しかった。
さつきちゃんは2年前の5月にSさん宅にやって来た保護犬。だから「五月」ちゃん。
鹿児島の徳之島から空輸で運ばれて、保護団体に保護された。
娘さんが、以前飼っていた犬とそっくりなので、気に入られたという。
その気持ち、痛いほど分かる。
当時のさつきちゃん。
すぐに会いに行った。すぐ懐いてくれた。
私は犬が大好きだ。
ヒトが思っていることを10言わなくても1で伝わるような時がある。
「動物の中で人と親友になれるのは犬だけだ。」と誰かが言っていたけど、当たっていると思う。
去年の夏、幸せな暮らしを続けていたさつきちゃんに変異が現れた。
肺動脈にフィラリアの成虫が詰まっているという。
最近は予防が徹底されているので、手術のできる獣医が少なく、兵庫の三田までタクシーを飛ばして手術。
首の血管から内視鏡を入れて成虫を取り出し、難を脱した。その数33㎝が11匹。
その半年後、ぐったりした症状が続き、再受診。今度は心臓の右心室に成虫2匹がいることが判明、再手術。手術と投薬をすり抜けて成長したらしい。
2回もの手術でぐったりしていたさつきちゃん。
今月のフィラリア検査でようやくマイナスになったという知らせが届いた。
無性に会いたくなった。会って、ハグしたい!
ご無理を頼んで、会いに行った。コロナの影響で庭先で会った。
さつきちゃんは元気だった。広い庭先を走り回っている。
捕まえてハグした。
「がんばったな、えらかったやろ、よかったな。」
頭をなでながら、泣けてきた。(今年の決意がまた守れなかった)
これはみんな、Sさんと娘さんのお陰やで。
さつきちゃんからのチョコレート。いま、かみしめています。