孫産まれる!
日本の出生数が100万人を切るのも目前の中、
私に孫ができました。
それは。
「奇跡」のような出来事でした。大げさじゃなくて。
予定日を1日過ぎて、いつものように午後散歩に出かけて
帰ってきた娘の顔が優れない。
「胎動が少ないねん」
土曜休診の病院に電話し、だんなと一緒に出向いた。
きょうはだんなも私もみんな家にいたのだ。
夕方、だんなからの電話にかみさんが出た。
「今から帝王切開だそうで、入院の荷物を持ってきてください」
私が車を走らせる。
かみさんは、こじろうの介護で居残り。
病院に着くとすでに手術が始まっており、だんなと私はがらんとした病室で待機。
小一時間。無事誕生!男の子!
看護師さんに抱かれていきなりピース!
娘は術後の手当てでそれからさらに小一時間。
やっと手術室から出てきた。
「おめでとう、よう頑張ったな!」と声を掛けてやる。
ぼろぼろ泣いている。
「お母さんは?こじろうの世話?」
「…待っとけ。連れて来る!」
犬がどうのこうのじゃない。娘が会いたがっているのだ!
急いで家に迎えに行き、とんぼ帰りで病院へ。
幸い、こじろうは寝たという。
開口一番、かみさん「良かったな!頑張ったな!」一緒やないけ!
またぼろぼろ泣き出した。
主治医の話では羊水がほとんどなかったという。
「それはなぜなんですか?」と聞いてみた。
「予定日を過ぎれば少なくなってくるのですが、娘さんの場合は高齢もあったかと思います」。娘は40歳。初産。
あとで聞いた娘の話では、主治医も手術の結論を出すのにしばらく考えていたという。
そうか、来て良かったんや。
今の時代はすぐに母子は病室で対面するそうな。
そして母乳を飲む練習をするそうな。
二日目の画像。
母の手をしっかり握って。
一昨年結婚した時、
「こどもは無理やろ?中学生の頃には年金生活やで(笑)」
の問いににやにやするばかりだった。
保育士としていろんな子供の世話をしてきて、やっぱり「自分の子」を
抱きしめたかったんだろう。
妊娠が分かったときも私の部屋に3人で来て、
「お父さん、子供できた」と泣きながら報告してくれた。
「えっ!ほんまか!お、おめでとう!」
それが精一杯の祝辞だった。
病室に絵が飾ってあった。
姪っ子が描いたパステル画。
娘の安産を願って描いたと。
今思うと「奇跡」のような気がする。
家に家族全員揃っていて、しかも当直が主治医で、助産婦さんも同じ人で。
出産に立ち会えて。
「虫の知らせ」とはこういうことか。
あ、それは悪いほうの意味か。
ひょっとしたら、子供が早くお母さんに会いたかったかもしれないな。
うん、そうしとこう。
娘へ。
爺ちゃん、婆ちゃんの手ならいつでも貸してあげるからな。