セリバオウレン
まだ2月というのに、あの花を見たくなった。
隣町にあるその群落に、信号の少ない北回りで一人で出かけた。片道約25㎞。途中に砕石場があり、ダンプが行き来、砂埃まみれになりながら到着。
何の変哲もない、里山風景。どうしてここなんだろう?
この場所を教えてくれた友人の名をすでに忘れてしまっている。そんな昔のこと。その友人に感謝しなくては。
林縁部の斜面には霜柱。
小さな池は氷が張っている。ここは日陰。北向きなのだ。
目を凝らすと点在している。
セリバオウレン。
春を告げる花を「スプリングエフェメラル」と呼ぶそうだが、この花の葉は枯れることなく、年間を通して見られるので、スプリングエフェメラルではないという。でも、私にとっては春告げ花だ。
オウレンは漢方薬。健胃、整腸薬として、消化不良や下痢止めに用いる。結膜炎、ただれ目にも効果があるとか。
なぜここにあるのか?ひょっとしたら、先人が発見して、漢方薬として利用し、大事に手入れして守ってきたからかもしれない。今も下草は刈られ、手入れされている。誰が?傍の農家さんだろうか?
そんなお陰で「赤の他人」も見られる。感謝。
いつの頃から見てきたんだろう?在庫の画像を調べてみた。2005年3月14日が一番古かった。雪が残っている。16年も経ったのか…。
画像№はDSCN......表示。「COOLPIX」の頃だ。ドライボックスには今も数台が眠っている。これとスコープとを連結したデジスコの時代。ああ、懐かしい。
ミツバチ画像も見つかった。
雄花と両性花。
右側の白い花は雄花、つまりおしべだけの花。左側は両性花。外側におしべ、中心にめしべが見える。
これは中央が雄花。左右が両性花。がく片が紫色がかっていて美しい。
今年も見ることができた。ありがとう。
花は決して「ヒト」のために咲くんじゃない。そんなことはじゅうじゅう分かってはいるけれど、時々心の片隅で、こんなことを思ってしまう。それは、どこかに「神様」と呼ばれる方がいて、春を待ち焦がれている人に、ポッと明かりが点るように仕組まれたのではないのかと。
そう思うと、すべてのことがすとんと腑に落ちる。
来年も見たい…。