かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

雨のブナ林

「やっぱり雨か」
朝起きて窓越しに外を見た。
か細い雨が降っている。
携帯で天気予報を検索。
「おかあさん、降水量1ミリやて。……行こか」
昨晩まで行くつもりはなかったのに。
 
私は「言い出したら聞かない」タイプではないと思う。でも…。
 
ブナの黄葉が見たい。
ブナは一足早く黄葉する。峠付近はさらに早い。来週では遅いかもしれない。
だから行くと決めた!
 
雨の県道。
集落の電線にアトリ。

 
民家の屋根にカワガラス。こんなの初めて見た。

 
高度を増すとガスが出だした。

 
誰もいない峠。
強風とガスの中、ブナ林を歩く。
足元には殻斗とはじけた実が散らばっている。今年は豊作か?

 

 
間に合った。

 
ここには木霊がいる。
それはコロボックル?それともクーナ?それともわたし?
 
♪昔、僕はこの池のほとりの  1本の木だったのかもしれない
遠い空へ手を伸ばし続けた  やるせない木だったのかもしれない
あの雨が降ってくる
僕は思い出す  僕の正体を
昔から降ってくる  なつかしく降ってくる♪
 
木霊が雨に濡れている。

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