かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

征司くん

台風が過ぎていった夜、
征司くんに会った。
台風接近の中、父Mさんの「偲ぶ会」に駆けつけたのだ。はるか北の大地から。
何年ぶりだろう?10年?もっと?
 
友人のmodokiさんも誘ってお好み焼きを頬張る。
この席にMさんがいたら、どんな顔をしているだろう?

 
17歳で親元を離れ極寒の地へ。
今は27歳。10歳の子を頭に3人の子のお父さんになったという。
 
「大阪は蒸し暑いですね」
「そうか、きょうは涼しいほうやで」
「いやー、暑いですわ」
 
あの頃、Mさんに連れられて一緒に歩いていた。
伊吹山、はな天、芦生キャンプ…。
征司くんのアカショウビンの口笛は今も時々話題にのぼる。
 
17歳。
ただ「愛」だけを信じて突っ走ったんだろうか?
それを許したお母さんが偉いと思う。
 
「此処のお好みはなんで美味いんやろ?」
「ソースかなぁ?そばかなぁ」
 
再就職で働き出したmodokiさんと
「関西弁」が抜けた征司くんと
初めての「一人暮らし」になった征司くんのお母さんと
白髪染めを失敗したかみさんと
相変わらず暇を潰している私と。こんな取り合わせで。
満腹になった私たちはなんて幸せなんだろうと思う。

 
征司くん、
今度北海道に行ったら、安くて旨い「ウニ丼」を食わしてくれ!
 

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