かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

「青虫」の大移動

ここは近所の散歩道。
木漏れ日が暖かい。



ここにエノキの大木が散在している。



そのひとつ、見上げた樹表に目を凝らすと小さな青虫が動いている。



下へ下へと幹をゆっくり降りてゆく。
これは…。小さすぎてよく分からないが、オオムラサキゴマダラチョウの幼虫。



越冬のために葉が落ち始めた枝先から幹をつたい、落葉まで移動するところなのだ。
その距離何十メートルだろう?20メートル?もっとだろう。
約2センチの幼虫には大移動。動きはゆっくりで、分速 5cm/min くらいか。
約3メートル降りるのに1時間要した。だいぶ降りてきた。
肉眼で観察、ゴマダラチョウだ。



背中の突起は4列あるが、2列目は小さいので、数えないで3列という説もある。
近くで見ると小さな目が可愛い。



幹を降りた幼虫は幹付近の枯葉の裏で冬を越し、
春になると今度は反対に幹を登り、芽吹いたエノキの葉を食べて蛹化、羽化し成虫になる。




そう、彼らにとって落葉は「邪魔者」ではなく、暖かい「毛布」なのだ。

私も1時間以上つき合った。
あと地面まで1メートルくらいのところで動きが鈍った。
私の気配に気づいたのだろうか?
もはやこれ以上邪魔してはいけないと思い、その場を去った。
もう陽が傾き始めていた。

誰に教えられたのか。はたまたこれも「自然の摂理」なのか。
ちゃんと意図したかのように。
失礼かもしれないが、生き物は偉いと思う。
今頃、あったかい毛布にくるまれているだろうか?

スターマーク