かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

ハイイロチョッキリ。

ある日、自然歩道を歩いていて、いつもと違う光景に出会いました。

どんぐりの付いた枝葉が散乱しています。f:id:kakeyan60am:20210930114538j:plain

「なんやこれ?台風も来ていないのに」

「さては…」

見上げると周りは高木が覆い重なってどの木か分かりません。

一枝拾って調べてみました。

アカガシ。葉柄が長く、鋸歯が無く、葉が大きい。どんぐりの殻斗は毛に覆われ、ビロードのような手触り。f:id:kakeyan60am:20210930114627j:plain

枝は「折れた」のではなく、誰かが「切った」ような切り口。f:id:kakeyan60am:20210930114704j:plain

「ははーん」

裏返してみると、殻斗の境目辺りに穴が開いています。f:id:kakeyan60am:20210930114759j:plain

「なるほど。柔らかい部分が分かるんや」

穴の開いたどんぐりが7個、開いていないどんぐりが2個付いていました。f:id:kakeyan60am:20210930114822j:plain

穴の開いたどんぐりを切ってみると…。

小さな卵。

「やっぱり」f:id:kakeyan60am:20210930114913j:plain

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昆虫オトシブミの仲間の仕業です。

12年も前に友人のSさんからもらった「オトシブミハンドブック」文一総合出版(初版第1刷)を開いてみると、ありました。f:id:kakeyan60am:20210930115039j:plain

ハイイロチョッキリ。

オトシブミ科チョッキリ亜科。8~9月頃、どんぐりに産卵し、葉の付いた枝ごと切り落とす。孵化した幼虫はどんぐりの中味を食べて成長し、外に出て、地中で蛹になるという。よく似たゾウムシもどんぐりに産卵するが、枝ごと落とすのはハイイロチョッキリしかいないそうだ。

海野さんのきれいな動画もありました。

https://youtu.be/YawbgGxr3lk

実直な仕事をひたすら続けていのちを繋げる。小さな虫からまたひとつ、教えてもらうことがありました。(拾った枝とどんぐりは元に戻しておきました)

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