私の8月15日
昼近く外のテーブルで弁当を広げた。
「こんにちは」
隣のテーブルには初老の男性。同じく工作中の方。
近くの施設から正午を告げるチャイム。
そうか。
「きょうは黙祷をしないといけないですね」
隣の男性に声をかける。
「あ、そうですね」
箸を持つ手を置いて躊躇していたら、
「私の父は沖縄で亡くなりました」と男性。
「私の顔も見ずで逝きました」
「お骨は見つかったんですか?」
「いいえ、そんなん。土みたいなのが送られてきただけです」
男性は私よりすこし上。
生きていれば私の兄と同じくらいか。
そういえば、昔親父が言っていたな。
「○○はひとつもなつかんでなぁ、俺の顔見たら泣きよった」
戦争の悲劇。69年経ても風化しない。
男性は娘さんの家の玄関に置く飾り棚を作っている。
木工教室上級部に通うだけあってその腕前は玄人はだし。
時計しか作れない私とは雲泥の違い。
いろいろ作業のコツを教えていただいた。
平和っていいな。けど。
今朝の新聞。「ザ・コラム」
式典開始の1時間半以上前に到着。来賓席に入ってくる政治家たちの姿を見ていると、「ムラムラと怒りがわき上がってきて、黙っていられなかった」という。
この怒りを、理解できますか?で締めくくられたコラム。
この平和を武力で作ろうとしているしか思えない。
今日の空模様のように雲行きが怪しい。