かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

「なんや、トンビか」

私はきょうも空を眺める。
「出た!」
「なんや、トンビか」
私はきょうも騙される。



その度にひどい言葉でののしる。
本人が聞いたらきっと怒るに違いない。
トビはれっきとした猛禽の仲間。けれど貴重種どころか注目種でもなんでもない。
そこらへんにくさるほど居て屍肉もあさるしたたか者。

けれど飛ぶのが上手い。
風の無い、気流の発生しない状況でも小回りの利く旋回を繰り返しながら悠々と飛んでいる。
天気が回復したらまっ先に現れる気もする。



毎度見飽きたトビだが、よく見るときれいな模様をしている。
こんなにきれいだったか?
もうこれからは「なんや、トンビか」とは言わないでおこう。
「…トビか」くらいに留めておこう(笑)


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