かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

戸隠高原にて 2009後編

鏡池に足をのばした。屏風のように立ちはだかる戸隠連峰が池に映えて、一日居ても見飽きることはない。
池の対岸にオシドリコガモホシハジロカルガモ
空にはノスリオオタカ、ハチクマのパチパチディスプレイも。

去年もここで同じ景色を見た。
その人はもういない…。そのことを思い出すと胸が痛い。
私は相も変わらずまたやってきた。
誰がいなくなろうと関係ないかのように。



夕食後、ある話題で盛り上がった。胸のつかえが下りた。みんな同じことを思っていたのだ。「類は友を呼ぶ」というが、まさしく私たちは同じタイプの人種だったのだ、と勝手に思った。

翌朝、奥社参道を歩く。人影が少なく、歩きやすい。



ニュウナイスズメキビタキコサメビタキ、ヒガラ、コガラ、コルリクロツグミアカハラミソサザイゴジュウカラアオジなどなど。
足を進めるごとに鳥のコーラスの楽章が変わる。さくさくと足が進まない嬉しい悲鳴。

両脇にはミズナラ、トチ、ブナなどの大木。彼らは何年、私たちを見続けてきたのだろう?



ブナの若葉にオトシブミ発見!
足元にはニリンソウエンレイソウ、タチカメバソウ、リュウキンカ、何とかイチゲ。



結局、確認種数は目標の60を超えて61種。キバシリ、オナガも見れた。2泊3日で61は上出来だ。とうとうトビは見なかった。

帰路途中、長野市内でマスクを探すがここでも品薄だった。大阪は新型インフルエンザで大騒ぎだと言う。高速道路は名神の集中工事を避けての迂回が功を奏し、スムーズに帰れた。走行距離は900㌔余り。疲れたけれど、楽しかった。

鳥に感謝。森に感謝。生き物に感謝。そして一緒に鳥を見る友がいることに感謝。
来年もまた是非。(終り)

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