かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

戸隠高原にて 2009前編

戸隠高原は遠い。
大阪から6時間はかかる。
けれど夏鳥のコーラスが手を取るように味わえる魅力的な所だ。
けれど遠い。
もっと近くに代替地はないものか。
名古屋在住の友人に訊いても戸隠高原に匹敵する場所はないという。

毎年一度、「慰安旅行」と称して出かける。
今年は鳥仲間7人と出かけた。
往きの道中は雨だった。7年に1度の戸隠神社の式年大祭の神輿巡行も中止になったと喫茶「ランプ」のマスターが饒舌に語る。

翌朝は5時出発。雨は上がって快晴。戸隠連峰が美しい。



さっそく森林植物園へ。
あちこちで鳥が鳴いている。今年は芽吹きが遅くて長く、鳥影が見つけやすい。一年を通してここでしか見られない鳥も多い。



コルリがさえずっている。声はすれども姿は見えず。声のする方をなめるように探すといたいた、日陰の高い梢でさえずっている。コルリはいつも見つけにくい。
アオジのようなさえずりで、テンポが速い声。もしやノジコ?声の主を探すと、やはりノジコだった。アイリング確認。私は年に1回、ここでしか見ない。
ミズナラの幹を這いまわっているのはゴジュウカラ
サンショウクイの♀が翼を振るわせて餌のおねだり。♂は忙しなく餌を探す。♂と♀で微妙に色合いが違うのがよく分かる。二人はできている!



チラチラ見え隠れするのはアカゲラ
愛想のいいミソサザイは木道の杭にも止まってさえずっている。近すぎて身動きとれず。  わずか10cmの身体で森中に響き渡る声。どこにそんなパワーが潜んでいるのか。地味だけど私の大好きな鳥、細い嘴はつま楊枝にできそう?
キビタキも♂♀どちらもいる。当たり前だけど、ここは彼らの繁殖地なのだ。



戸隠高原に来出して何年になるだろう。年に1度だけど、欠かさず来ている。ある年は仕事の足の途中で一人で来た事もあったが、羨ましがるかみさんの顔を見るのが辛かった。一人で見るのと仲間で見るのとでは感激度がはるかに違うし、見つける確率も増える。「商店」の財政が許す限り、これからもみんなで来たいもの。
もちろんかみさん連れで。(続く)

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