工作再開
私は膵臓がん。目下闘病中。
週1の点滴治療を3回後、1週休み、それを3か月行う。
1回目のあと、副作用が出て、2回目は延期、来週2回目が予定されている。
いまは自宅療養中。
幸い目に見える副作用症状は出ず、食欲もある。
仕事は鳥類調査。
すぐにでも仕事をしたいのだが、なにぶん個人事業主。
委託業務なので、発注先にも都合があり、そう簡単には来ない。
ましてや闘病中の調査員などにはよほどでないと声はかからない。
だからヒマを持て余している。
そのぶん、少しでもかみさんの手助けにと家事手伝い、こじろうの世話、荷物持ち、アッシーとこなしている。
先日、友人から電話があり、「振り子時計」の注文があった。
「いつ頃できる?」
「やる気次第やな」
「アオバズクが来る頃欲しいな」
「えー!ちょっと難しいな」
「有難いな…」
実はすでに3個作る予定があった。
これはすべてプレゼント用なのだが、まったく作る気にならなかった。というか、そんな気持ちの余裕がなかったというのが正しいかもしれない。
合わせて計5個。
材料のシラカバ材は5枚しかない。
失敗は許されない。
今後、入手できる保証も今のところない。
「作ろうか…」
重い腰を上げてフクロウから彫りはじめた。
これを5対10羽彫らなければならない。
1年ぶり?もっとか?
勘を頼りに彫ってゆく。
1日1個のペースか。
いつ出来上がるのか。まったくもって不明。
私がいまできること。
それはこんなことしかないのかもしれない。
とにかく前へ進まなくては。