かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

蒸し鶏とマツの実のペペロンチーニ

昨日映画を観た。
夫婦で映画を観るのは『あん』以来。
こじろうの面倒は娘に任せて出てきた。

観終わっての夕食。
ランチ時には行列ができる店へ。
意外と空いている。

若いウェイターに案内されて席に着く。
「セットメニューのご説明はよろしいですか?」
「うん、もう決めてんねん」
「はい」
蒸し鶏とマツの実のペペロンチーニ、ふたつ」
「承知しました」
待つこと暫し、熱々のパスタを頬張る。
「やっぱり、美味しいね。ジョリパスタとは違うな」

私たちはペペロンチーニファン。


「結局のはなし、助かったんやな?
途中で転んで学校までたどり着けてなかったけど」

「あの鳥はトビやで。ハチクマみたいやったけど」

美味しいコーヒーをすすってからレジに向かう。
レジに立ったのはさっきの担当の若者。

「2,656円です」
「はい。これで。あーもうお金ないわー」
「何か買い物でもされたんですか?」
「映画を観てん」
「何の映画ですか?」
「何か分かるか?」
「『君の名は。』」
「当り!なんで分かんのん!『淵に立つ』と迷ってんけどな」
「僕も観ましたよ!良かったですね!始めはこんがらがったけど」
「良かったか?そうかー」
「君の名はみつは」
「よく覚えておられる!」
「そら観たとこやしな、ははは」
てな会話をまるで漫才のようにこなして店を出た。

この店は店員が気持ちいい。
料理の美味しさが増すというものだ。
「たまにこんなんもええな」
「うん」

すこし肌寒くなった夜道を家路へと急いだ。

スターマーク