かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

キミはだれ?

先日の15日、玄関先で用事をしていると、


ボタッと鈍い音がして小鳥が落ちてきた。
車の脇でばたばたしている。
拾い上げて様子をみてみた。
「ムシクイや」


折れそうなか細い脚。
可愛いというか、なんと美しいことか。


掌に掴んだまま日当たりのいい通りに出て、
掌を広げてみても目をつむり、飛ばない。
嘴の付け根から血が滲んでいるようにも見える。


カーポートの透明の屋根に衝突したのか?
「脳震とうかな?」

思いついたのはスコープのケースに収納してみること。
かみさんの手作りのフリース素材の袋はいかにも暖かそう。


そこに入れて暖かい助手席に置いた。


それから40分。
袋からそっと出してやると、
そのまま私の手から勢いよく羽ばたいて民家をすりぬけて飛び去っていった。ああ、良かった良かった。
「元気でな」
どこまで行くんだろう?東南アジア?

そのあと図鑑とにらめっこ。
あのムシクイの正体は?
鳴いていないから声は参考にならない。

頭央線がなかったし、センダイムシクイではないよな…。
嘴も長かったし、エゾムシクイでもないし…。
お腹は黄色味があったけど、そんなには黄色くなかったし…。
結局、オオムシクイまたはメボソムシクイに行き着いた。

そして同僚でもあり、標識調査もされているGAKUさんに
画像を送り、尋ねてみた。

GAKUさん曰く、

写真ありがとうございました。
拝見しましたが、正直判りません💦
コムシクイではないな。ということぐらいは判るのですが、メボソとオオムシクイの違いはかなり微妙のようです。
羽色がかなり黄色かったり、P10(第10初列風切羽)がPC(初列雨覆)よりだいぶ長いとメボソの可能性が高いですが、そうでなければ計測値での比較になります。
計測値での判別も雌雄が判らなければ難しいみたいですが。
今、改めて外部形態の違いについて書かれた報告書を見ていますので、新たな知見が得られればまた連絡します。


んー、なんか難しそう。
ま、私には断定できなくてもぜんぜんいいんです。
とにかく渡りの時期にこんな住宅地でもムシクイが通過しているという事実が分かったのですから。それで十分です。
GAKUさん、ありがとうございました。

今にして思えばあのとき、直接本人から名前を訊いとけばよかったなと反省しています(笑)。


スターマーク