かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

キボシアシナガバチ

月のとある現場でのこと。
ふと気づくと、
双眼鏡にハチが止まっています。

 
うしろ脚の関節にとげのような突起。
キボシアシナガバチでしょうか?

 
ゆっくりとした動作でウロウロウロウロ。
恐る恐る双眼鏡を覗いても何の反応もなし。

 
地面には別のアシナガバチが。
これは?
ムモンホソアシナガバチ
こいつはゴソゴソとすぐに落ち葉の裏に隠れました。

 
その日の気温は最高/最低 11/4℃。
 
私はアシナガバチについて何の知識もありません。
図鑑では成虫越冬とありますが、働き蜂も越冬すんでしょうか?
死んでしまうんじゃなかったっけ。
そもそもこいつは働き蜂?それとも女王蜂?
女王蜂って大きかったはず?
 
彼は越冬場所を探しているのだろうか?
それとももうすぐ寿命なのか?
 
そんな事を考えているうちにすっかり彼の存在を忘れてしまっていた。
 
その4日後、車のハッチバックを開けると引き出しの隙間に彼がいた。
機材を仕舞う時にそのまま紛れ込んだらしい。

 
のっそり動いている。
傍らにあった濡れウェスにたかり動かない。
「水が欲しいいんや」
ペットボトルの水をウェスに染み込ませました。
飲んでいる、ように見えました。
「腹減ったんちゃうかな」
さっきスーパーマルヤスで買ったばかりの豚ミンチをほぐし、
脂身片を顔先に置いてやる。
顔を背けた。
「違うか…」
 
そこで私は考えました。そして結論を出しました。
「越冬にしろ、寿命にしろ、君は野山にいるべきだ」と。
さっきもし、脂身を食べていたら、虫篭に入れていたかもしれなかったけれど。
 
で、コナラの落ち葉が重なる斜面にそっと移しました。
 
「これで良かったのだ」と思いたい。
 
 
 
 

スターマーク