かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

セツブンソウ祭り

ここを訪れるのは5回目。
毎年訪れている。
「セツブンソウ祭り」は今年で3回目。
ここは戸数70戸あまりの小さな山里。
対岸の山が高い。

 
今年も雪が2㍍ほど積もったそうだ。
私たちはその厳しい暮らしを知る由もない。

 
けれど、そんな中で雪の間から顔を出す小さな花に心が弾むのは私たちでも想像できる。
 
頂いたパンフレットの中にこんな一文があった。
「私ども区民は人の住む里と野草の咲く周辺の山野を一体化した景観としてとらえ、こののどかな風景を守り続ける努力をしているところです。」
地元のガイドをしてくださった方の話では17年前に住民のお婆さんが始めて発見されて、大事に手入れし続けて群落は徐々に増えてきていると言う。
 
私たちは1年にたった1回しか訪れないのに、有難い話だ。

 
キバナアマナもアズマイチゲも雨で萎んでいたが、
セツブンソウは雨でも咲いてくれている。

 
地元のスタッフの中に見覚えのある顔を見つけた。
「Sさんですね?」
「は、はい。どこかでご一緒しました?」
「はい、たしか汐川干潟の現場で」
「ああ」
何年ぶりだろう。むかし一緒に仕事をした記憶がある。
Sさんはこの集落の古民家で住まれているという。
 
すこし、羨ましいなと思ってしまった。
 

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