かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

フサヒメホウキタケ

雑木林で変なものを見つけた。
枯れマツの幹に丸いこぶのような物がくっついている。
なんや、これ?

 
ハチの巣?虫こぶ?寄生植物?きのこ?
気色悪いので証拠写真だけ撮った。
画像を詳しく見ると「胞子」のようなものが見える。
きのこか?

 
手元に1冊だけある「きのこ図鑑」で調べることにした。
この図鑑は元地元のK高校の教諭だった上田俊穂氏解説の《山渓フィールドブックス》シリーズ「きのこ」。昔、観察会で買ったもの。携帯図鑑にもかかわらず1156種ものきのこが収録されている“小さな大図鑑”
 
でもきのこは難しい。手がかりは画像だけだ。
とりあえず図鑑のうしろページから写真を11枚見ていった。
そして199ページ、よく似た写真に行き当たった。
パソコンで画像検索。そっくりの画像がヒットした。
 
フサヒメホウキタケ。
夏~秋。マツなどの針葉樹の切株や倒木上に単生。20㎝を超える幅になることもある。子実体はホウキタケ形で、淡褐色~赤褐色。ことじ形~杯状に分枝する。ホウキタケ属と異なる点は胞子紋が白色であることや胞子がアミロイドであることなどである。
 
あー、難しい。分からない専門用語ばかり。
子実体とはしじったいと読み、胞子を形成するための器官で、肉眼的に大きいものを「きのこ」という。きのこは、「子実体」と「菌糸体」に分けられ、通常、きのこの上の部分、つまり傘と太い柄のような部分が子実体で、菌糸体は、子実体の根元から、土壌の中、あるいは樹木や昆虫の体内など、動植物中に伸びていく白い糸状のものをさす。
 
ことじとは琴柱と書き、琴や箏で、胴の上に立てて弦を支え、その位置によって音の高低を調節するもの。琴では二股状のカエデの枝を切って逆さにして用い、箏では紅木象牙や合成樹脂製のものを用いる。

 
     
 
 
 
 
 
 
 
アミロイドとはある特定の構造を持つ水に溶けない繊維状のタンパク質のこと。
 
とにかく一件落着。
森の分解者で共生者でもあるきのこ。きのこは偉い。けど難しい。

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