ある日、おじいさんとおばあさんは森へバードウォッチングに出かけました。
森の中をすたこら歩いていると、
フユイチゴがいっぱいなっていました。
「おう、これはすごい。」
イチゴは真っ赤に熟れています。
「年が明けてもこんなに残っているのは珍しいなあ」
フユイチゴは
バラ科のイチゴの仲間。他の種と違って冬に赤い実をつけます。
茎に小さなとげがあるからミヤマ
フユイチゴでしょうか?
交雑種もあるというから判らないけど。
おばあさんはさっそく、摘みはじめました。鳥はそっちのけで。
そーっと摘まないと実がぽろっと落ちてしまいます。
ひと粒味見。
「これは美味い!」
もうひと粒味見。
「これも美味い!」
あまりに美味しいので持って帰ることにしました。
あっという間に手のひらいっぱい採れました。
手のひらの中でキラキラ光っています。
「これくらいで十分じゃ、あとは
シロハラに残しといてあげよう」
翌日の朝食。ヨーグルトの上に
フユイチゴの実がありました。
「これはご馳走じゃわい」
おじいさんとおばあさんはほっぺたが落ちそうになりました。
山からのおいしい贈り物です。
おわり