かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

三十三才

谷あいでミソサザイが鳴いている。
ミソサザイは私の好きな鳥。
漢字で書けば「三十三才」
体長11センチの小さな身体でもさえずりは大きく、谷じゅうに響き渡っている。
「ピピピ チュイチュイ チヨチヨ チリリ」とか
「ピピスクスケ チルチル ヒョロヒョロ ピリピリ リリルリリル」とか。
複雑で文字には表せない。
図鑑ではカワガラスの隣に載っていて、まるで兄弟のようだ。



リトル・トリー」(フォレスト・カーター著)の本の中で
ミソサザイは自分に好意を持っている人間のそばが好きだと書いていた。ほんとうなら嬉しい。

よく見ると口に小さな苔をくわえている。



今は繁殖の時期なんだ。
岩や倒木のすき間などに苔、シダ、木の根、羽毛などで巣を作る。
さえずりは「ここはおいらの領域だよ」の意味もあるのだ。
これ以上近づいたら好きなミソサザイからも嫌われそうだから
とっとと撤退しよう。


スターマーク