かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

花を見た日

それは特別な日でもなんでもない。
おふくろの命日に
兄は倒れ、1週間後に死んだ。
病院の廊下の小さな窓から咲き出した桜の花が見えていた。
もう3ヶ月も経っているのに、未だに引きずって。
ひとはすべての出来事に理屈をつけたがり、
「早すぎる」「私がいたら」「天寿かな」「これでよかった」
そんなこと知るか!
もう3ヶ月も経つのに
今も宙に向かって叫ぶ。
「オレが死んだら葬儀は要らん。その代わり、芦生と出灰と○○に散骨しといてくれ。内緒でな」と笑いながら。
今度はオレの番。
花を見た日、
何事もなかったように今日も花は咲く。


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