かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

グンバイトンボ

地元でハッチョウトンボを見たい!

第2弾は「昔はいた」という同業者の記憶を当てに出向いた。
「三叉路を過ぎて右手に見えませんか?」
アカマツ林が点在してたと思いますよ」
携帯からの肉声ナビを頼りに探すが、見当たらない。
付近は新しい住宅が並ぶ。
「昔のことやから、もういないかもしれん」
返答の声もしぼんでゆく。

しかたがない。
ここは動物的感で探すしかない。

川沿いに続く脇道を上流に向かって歩いてみる。
昨日の雨で増水した川は音を立てて流れている。
脇道にも水が流れている。
ん?もしやこれは湧水?
ゆっくりと湿生植物を避けて歩く。
つきあたりにはモウセンゴケ
辺りをくまなく探したがいなかった。



帰り道、変なイトトンボに会った。
脚が白い。
もしかして?
そーと近づき、証拠写真
すぐに画像を確認するとやはりそうだった。初めて見た。




グンバイトンボ。
♂の中脚と後脚が白く、軍配状に広がっている。
木陰の湧水やその周辺に生息するが、近年、そのような場所が減り、減少しているという。
大阪府レッドの絶滅危惧Ⅱ類でハッチョウトンボよりランクが上になっている。
ハッチョウトンボも地味だけど、イトトンボも地味だ。
何の変哲もない湿地で人知れず暮らしている。

秘密の場所がまたひとつ増えた。

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