「あるヘラジカの物語」
星野道夫。動物写真家。享年43歳。
24年も前、アラスカでヒグマに襲われて世を去った。
絵本作家の鈴木まもるさんは星野さんと同い年。親交のあった鈴木さんはある夜突然、星野さんが撮った不思議な写真が夢に出てきて、絵本を創ろうとひらめく。そしてコロナ禍のさ中、わざわざ現地アラスカまで飛び、出来上がったという。
「天声人語」でなれそめを知り、すぐに書店に注文。返ってきた答えは「在庫なし」。ネット販売でも手に入らなかった。
そして2か月後手に入った。既に第2版だった。
2頭のヘラジカが角を絡ませたまま骨になった写真。(ヘラジカは北アメリカではムース、ユーラシア大陸ではエルクと呼ばれている)
1枚の写真が語りだす大自然のドラマと生命のつながりの物語。
迫力ある絵とつながる命のリレー。どうしてだろう、こんなにすとんと腑に落ちるのは。
アメリカタヒバリってどんな鳥だろう?タヒバリに似ているのかな?
読み終えて本を閉じて、もう一度表紙のヘラジカを見た。
星野さんの横顔が浮かんできた。