「かけす通信」vol.21 1995年1月
「かけす通信」というダイレクトメールを発信していた。
当時のはがき原稿が今も保存してある。
じっとしていると見えてくるものがある
じっとしていても何も見えてこないものもある
山のかけすが震災の街に出向いた
グランドをならし 薪を作り 生ごみ用の穴を掘り
水を配り 空缶とゴミを拾った
そこでかけすが見たものは……
どうしようもない悔しさと悲しさが泉のようにこみ上げてくる
そこにあなたがいた事実と
そこに私がいなかった事実と
どうやって分かち合えばいいのか幸せを
どうやって分かち合えばいいのか不幸を
午前5時46分
あの時からあなたの時計は止まったままなのだ