かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

ある「救護」で見えてきたこと

その「事件」は先週末に起きました。
私は在宅中、かみさんは孫を連れて近くの公園へ散歩に。
すぐに電話がかかる。
「お父さん、公園で飛べないオオタカがいる。周りをカメラマンが取り囲んでいる!」
「わかった、すぐ行くわ」
駆けつけると言われたとおり、地上のオオタカをカメラマンが取り囲み、連写している。散歩者も心配そうに様子を伺っている。

「どうして通れないんですか!カメラマンだけの公園ですか!ここはみんなの公園でしょ!」
金切り声の子連れの女性。
誤解が生んだ誤解があったようだ。
「すいません、どうぞ通ってください」
事情を説明しても分かってもらえない。

オオタカは人から離れて少しずつ移動。どうやら歩けるようだ。


どうしよう…。
傍に電話をかける男性。
その男性と合流、聞けば万博定例会のリーダーをされているというHさん。初対面。
「えっ、実は私も20年前にやっていたんです」
「あっ、そうなんですか」
Hさんは第一発見者で、関係各所に対応策を聞いていたらしい。

で、結局救護して堺市の動物病院へ運ぶことになったという。
そこの先生は「日本バードレスキュー協会」http://www.bird-rescue.jp/ の顧問をされている病院。

で、作戦会議。
手袋、毛布、段ボール箱、網が揃い、みんなでじわじわ追い詰めて、最後はHさんと私で毛布で捕獲、というシナリオ。網は公園事務所でお借りした。

「みなさん協力してもらえますか?」
声を掛けて集まってくれたのは数人の散歩者。
カメラマンの姿はどこにもない。
「なんやねん、撮ったら終わりかい!」と捨てゼリフを吐いてしまう。
鳥を愛するよりも自分の写真を愛する連中。
情けない次第。
あんなカメラマンには絶対ならない!と肝に銘じる。

作戦開始。
山側からじわじわと詰め寄る。と、オオタカは低く飛んだ。
飛んで数メートル先で着地。飛べるんや。早や作戦失敗。
もはや網しかない。私は気づかれないよう後ろに回り込んで網を振り下ろし、捕獲。すぐにみんなが駆けつけて爪、嘴を保護、網から外して段ボール箱に収納。
無事誰も負傷することなく救護できました。
よかった、よかった。
友人で、理事のTさんのアドバイスでは段ボール箱に入れれば脚を縛ったり、目隠しの必要はないらしい。

その後、Hさん宅で一夜を共にしたオオタカは日曜の午前、動物病院に運び込まれ、入院となった次第。
流れでは救護ドクターによる診断、治療→野生復帰可能→関係機関と協議→専門機関で治療→放鳥となる。

やれやれ。
Hさん、協力していただいた皆さん、お疲れ様でした。
ありがとうございました。

この「事故?事件?」でいろいろ教えられました。
私はパニックっていて、撮った画像はコンデジのたった1枚だけ。

でも最低やね。あのカメラマンたち。
傷ついた鳥を目の前にして無視して立ち去ることができるなんて。ああ嘆かわしい。





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