ニイニイゼミ
柿の木の日陰で仕事をしていたら、
トンッとセミがお腹に止まった。
「おいおまえ、ここは木じゃないよ。」
そっと捕まえる。鳴かない。
♀だ。
記念写真をパチリ。
「久しぶり!」
「ひょっとして足元の穴から出て来たんかい?」
「…」
きれいな模様。見事としか言いようがない。
いつも思うことだけど、
どうしてこんな模様になったんだろう。
やっぱり進化論で言いくるめる?
そしてこの模様が良いと誰が決めるんだろう。
やはり♀?
暗い土の中で約4年という。
そして蛹にもならずに画期的に大変身。
君には土中の生活と眩しい空の下の生活と、
どちらが幸せなのか。
そんなことを考えていると、
ブンッと羽音を残して飛び去っていった。
「元気でな。」