2014-12-31 木 植物 こんど、生まれ変われるとしたら木になりたい 小さな池のほとりで若葉を出し花を咲かせ実をつけて空に向かって手を広げる木になりたい いつか手に鳥が止まるだろう 虫が葉をかじるだろう 樹液を吸うだろう 実を啄ばむだろう 誰かがその幹に相合傘を彫るだろう雨風にさらされてその浅い傷も消えてゆくだろう そこにあっても なくても誰も喜んだり寂しがったりしない木になりたい この地に根を張り動かないこれが根性というものだいつか伐られて倒れても動けないそれが意気地なしというものだその端くれで誰かが時計を作るだろう時は止まらないたとえ木が倒れても 池のほとりの小さな木に呼びかけるおまえは偉い