かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

たか見の広場 2013後編

1989年、白樺峠が発見された。
タカ渡り観察ポイントとしては比較的新しい。
「信州ワシタカ類渡り調査研究グループ」が結成され、2000年、「たか見の広場」が作られた。
地元の村の許可を得て、木を切り、地面をならし、草を刈り、ベンチを作り、トイレを設置し、観察会を開き、こつこつと、毎年、毎日。
 
この広場の「管理人」中村さんは同業者で仕事仲間。
トイレ掃除から水汲み、書籍販売、草刈、営繕となんでもこなす。
 
頭が下がる。
どこからそんな情熱が生まれてくるのだろう。
心底タカが好きなのか。それとも…。
 
私は、いや私たちはともすれば今の環境を享受してしまい、
それ以上の改革を怠ってしまう。
木が伸びればそれはそれでしようがない、人が集まろうが少なかろうが関係ない。
もっと見えるように改良しない。もっと見える場所を開拓しない。
努力しないでただ楽しめたらそれでいい。
そのとおりだけれど、ここはなんか違う。
それは来てみれば分かる。
 
この広場にはタカ以外にも心和らぐ小さな生き物たちがいる。
 
ウラギンヒョウモン。年1回夏に発生。
 
アキアカネ。夏は高原で避暑。そろそろ麓に下りなくちゃ。
 
カンタン。「リューリューリュー」と美しい鳴き声とその透き通る様な半透明な姿や成虫の短い寿命を栄枯盛衰や儚さに例えて「邯鄲の枕」から名付けられたとか。
もちろん、ここにはアオマツムシなんかいない。
 
モンキチョウ。これは♀かな?

 
クジャクチョウ。雌雄同色。成虫で越冬。低地へ下りるそうな。
 
アサギマダラ。渡りをするチョウ。
 
ウラナミシジミ。南方系のチョウで、夏から秋にかけて分布をどんどん北に広げるが、越冬できるのは無霜地帯で、北の個体は死に絶えてしまう。
 
イチモンジセセリ。別名「豊年虫」。これも渡りをする。冬期、幼虫の食草が生えている地へ移動する、といわれている。

 
みんな健気で、けれどしたたかな生き物たち。
 
元気ならまた来年も来たい。
 
 
 
 

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