かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

ベストショット!?

私はいつも自問自答している。
「こんな写真でいいのだろうか…」と。
眠たい画像をだらだらと「これでもか」と並べたくって、
果たして「訪問者」はどのように感じておられるのだろう?
 
画像掲載での最大のポイントは
「捨てる勇気」にあると思う。起承転結、最小限でいいのだ。
それができないのも手腕とセンスの無さゆえのことなんだろう。
たった1枚ですべてのことが言える、そんなベストショットは撮れないものだろうか…。
 
ただ、チャンスは突然訪れる。
年に1度か2度くらいだけど。
この日もそうだった。
台風17号の接近で朝から曇り空。止めようかと思ったが来てしまった。
そう、来てしまったというのが本音。足が向いてしまったのだ。
 
びっしり雲が覆っている。

 
土曜日とあってたくさんのハイカー。計29名。
吹田からの「山ガール?」や六甲からの初老の男性といろんな話をした。
タカのこと、鳥のこと、震災のこと。「あの日から人生観が変わりましたね」
男性の言葉には同感した。
 
昼食後、静かになった展望台。傍にやって来たメジロでも撮ろうと、腰を上げ、カメラを構えたその先にタカ影。すぐに露出をアンダーにして連写。タカはひるがえり、すぐに樹林に隠れた。
連写13枚のうち5枚はピンボケ。残り8枚のうちのこれがその1枚。ひるがえった瞬間が写っていた。

 
ハチクマ幼鳥。羽の模様が美しい。
黄色のろう膜、暗い虹彩。すでに尾羽の先や風切の内弁に擦り切れが見られる。
 
「大変やなぁ、迷わず無事に帰れよ」
 
この1行のエールとともにこの写真が目下のところ私のベストショットです。
 

 
 

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