かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

「たか見の広場」へ 後編

到着した日、広場は歓声が沸いていた。
そこらじゅうで柱が立っている。
「こんなことは滅多にないですよ」と現地のNさんも興奮気味。
3,000は裕に超えてるんじゃないかな」
 
「たか見の広場」では渡り数をカウントしていない。
公式カウントは定点観察地。
定点観察地点は広場から約50m降りた斜面にある。そこは一般者は立ち入られない。
試しにとカウントし始めたが、800を超えたところで断念、諦めた。
数えている場合じゃない、まずは観察だ。
その日、定点では5,136羽を記録した。
 
東京から毎年来られているというお隣の方、
10年通っているけど、こんな日は初めてです!」
 
記録的な「大飛び」の日に立ち会えたのは、運がいいのだろう。
 
サシバ幼鳥。

 
サシバ成鳥。

 
ハチクマ幼鳥。

 
ハチクマ成鳥♀。

 
ハチクマ成鳥♂。

 
     振り返ると乗鞍岳
     広場への道。
     アサギマダラがひと休み。
     今回も宿は「ウッディ・モック」 ログキャビンは快適でした。

 
 11年前、信州ワシタカ類渡り調査研究グループが主体になって作り上げてきた「たか見の広場」
いまでは数百人が観察できるすばらしい広場になりました。
そのご苦労はさぞ大変だったでしょう。
タカを見るしあわせ。
私たちはその恩恵を享受しているわけです。この広場のためにどれだけの人が関わってきたのか。感謝の気持ちでいっぱいです。
 
帰る日。
地元の園児たちにわかりやすく懸命に教えていたNさんの表情が忘れられない。
Nさん、ありがとう。
この子らが大きくなってタカ渡りファンになりますように。
そしてこの広場がいつまでもありますように。

 
下山途中、道の脇のシラカバを1本、1本を撫でながら、約束してきた。
「また来年来るよ」と。
 
おわり
 
 

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