かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

「羽ぬけ」ノジコのなぞ

先日、戸隠の画像を整理していて不思議なことに気がついた。
写っているノジコを見てみると右脇腹に体毛がない個体が見つかった。
過去の保存画像もさかのぼって見てみると、同じような「羽ぬけノジコ」が
2007年、2008年、2010年の画像からも見つかった。

 

 
私は毎年春に戸隠高原へ行っているが、他の年の画像には見当たらなかった。
これはどういうことなんだろう?
果たして同一個体?だとしたら2007年からだから4年以上は生きている?
この「羽ぬけ」の原因は?
 
私の鳥の先輩でもある
「日本バードレスキュー協会」 http://www.bird-rescue.jp/ の村濱氏に画像を見てもらった。そして以下の内容の返事をいただいた。。
 
Q.同一個体なのでしょうか?  4年以上は生きている?
 
同一個体で間違いないと思います。2007年に撮影された個体は、第2回夏羽以降の齢と思われます。従いまして、今は6齢以上。
少し調べてみたところ標識記録による長期経過後の回収例で、61ヶ月と言うのがありました。野外観察で、しかも同じエリア(縄張り)に帰ってきている例として報告する価値は十分あると思います。

Q.
どうしてこうなったのでしょうか?

これは難しいです。猛禽類等の捕食者に襲われたときに負傷し、その部分の皮膚に損傷を受けて羽が生えてこなくなったと考えられますが、推測にすぎません。
あるいは人にやられて(鳥もちとか)もこうなる可能性はあると思います。いま、家で飼養中(違法捕獲から保護)のオオルリメジロは体羽ではなく、風切の生えてくる部分が損傷していて、まともな羽が生えてこず、何度も換羽に失敗しています。おそらく二度と飛べないと思われます。

皮膚が黒いとおっしゃっていたのは、やはり、体羽の半分から先は緑色だけど基部は黒く、そのために羽のない部分が黒く見えているようです。
 
 
やっぱり!
6年も生きているのは驚きだった。 最初の2007年画像がおぼこく見えるのは私だけ?
今年のは特に凛々しく見えるのも私だけ?
見かけるのはいつも同じ植物園の某所。ここへ毎年やってきてはさえずって。健気やなあ。繁殖は成功しているのだろうか?「羽ぬけ」は繁殖に不利にはならないのだろうか?
 
とにかく疑問が払拭してよかった。
村濱さん、ありがとうございました。
果たして来年も来るのかどうか、宿題ができました(笑)。
 

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