かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

コウノトリに会いに。

数日前の夕刊に「関西世界遺産」と銘打ってコウノトリが載っていた。
その記事を読んで無性に会いたくなった。
「野外のコウノトリが見たい」

きのう、かみさんを引き連れて会いに行ってきた。
目指すは「コウノトリの郷公園」
事前にコピーしていた道路地図を家に忘れ、ナビなしで走る。そう、私の車にカーナビは付いていないのだ。
なんとか迷わずに着く。暑い!風がない(当日の最高気温は38.4℃だったそうな)。

ここへは6年前にも訪れている。その頃はまだ野外放鳥がされてなくて、ケージで飼育されているコウノトリを初めて見た。いつか野外を悠々と飛ぶ姿を見たいと思っていた。

一昨年、放鳥されたペアが去年繁殖に成功し、1羽が自然界で初めて巣立った。
今年は8羽が巣立ち、野外で見られるコウノトリは29羽になったという。
窓口で観察ポイントを教えてもらい、周辺を探す。



伸びた稲田の中に頭が見えた。



すぐに飛び立ち電柱に止まった。2羽いる!肩の付け根の赤い色は個体識別用か。しばらく観察。観察中にも遠方の別個体発見。出石川の中州でも発見。
結局6個体見たことになる。









ここは一見、何の変哲もない田舎の田園風景のように見える。
でもちがう。コウノトリがいるのだ!コウノトリは鳥では珍しく鳴かない鳥。成長期に声帯が退化して、嘴を叩き鳴らして(クラッタリング)意思疎通をはかるという。

昭和46年、ちょうど私たちが結婚した年、豊岡で日本最後の野生のコウノトリが死んだ。
あれから37年、但馬の人々の「再びコウノトリが舞う郷に」の思いは見事に実現した。
私は但馬の人々を尊敬する。野生復活を本気で目指し、実現させたからだ。

コウノトリ育む農法」で収穫されたお米が売られていた。
冬期灌水、早期灌水、深水管理、中干し延期、無農薬栽培、水田魚道の設置、素掘り水路などなど、生物の多様性を取り入れた手間のかかる作業だ。
5kg2,980円。ちょっと高い。手が出なかった。ごめん。(ちなみに我が家は1,780円の丹後産コシヒカリ

赤ん坊を運ぶと言われるコウノトリ。この農法が広まって、全国にコウノトリが甦ったならいいな、と思う。
そして私たちにほんとの「豊かな自然」を運んで来てほしいと思う。
その時はクラッタリングを真似て歓迎しよう。


                               

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