かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

霜が降りた日

霜が降りた日。
民家のはずれで仕事した。
休耕田には霜柱。



陽が射すとすぐに融けはじめ
鳥たちが動き出す。






軒先には吊るし柿。
谷の向こうでは落広林が光っている。






冬の日暮れは早い。
雲ひとつない空に陽が沈んでゆく。
日没を見るのは何日ぶりだろう。
きょうの一日が愛しく思えてくる。



わたしはいったい何を望んでいるのだろう。
多くを望みすぎてはいないのか。
おまえがいるだけで
それだけで十分じゃないのか。
星が瞬きだした空の下。
つながりにくい電波の中でわたしは電話をかける。

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