かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

待つ

待つ              1972.09.11

黄色の靴下とちゃんちゃんこを編んで
おかあさんはおまえを待っています
子守唄のレコードを買って
おとうさんはおまえを待っています

男の子なら「耕一」
女の子なら「絹」
目がおかあさん似で
まゆ毛もおかあさん似
口も鼻の形もおかあさんで
おとうさん似は鼻の高さだけ
のおまえを二人して待っています

キリストの申し子としてコウノトリが運んできて
中山さんで洗礼を受けた
おまえを待っています

でもほんとうはそんなんでなくていいのです
美しいものに感動する心の持ち主であれば何もいりません
おとうさんおかあさんはそんなおまえを
待ちくたびれるほど待っているのです

これは35年前、長男誕生前に書いた詩。古いノートに挟まっていました。
この詩をkokoさんの娘さんに贈ります。

「いのち」の誕生を待ちわびる気持ち、それは昔も今も変わらないと思いたいです。



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