かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

12年前のオオワシ


大阪府鳥類目録2001」(日本野鳥の会大阪支部発行)という本がある。
1945年以降57年間、府下で記録された鳥類の目録が載っている。
オオワシは1995年1月16日、吹田市で府下唯一の記録がある。
そう、あの日の前日…。

私たち夫婦は万博公園でバードウォッチングを楽しんでいた。
午後からは日本庭園に入り、心字池の北側を歩いていた。
上空をハイタカ属が通過した。
その行方を確かめようと北の空を双眼鏡で覗いてみると…。
尾羽の白い大きな鳥が飛んでいる。
急いでスコープに切り替えて覗くと…。
まさか…。白い肩、黄色い嘴。間違いなくオオワシの後姿だった。
オオワシは羽ばたきながら北へ移動し、手前の丘に隠れてしまった。
二人は顔を見合わせて
「うそやろ!ここは万博やで!でもほんまや!」と興奮した。
その夜、識別委員のS氏に連絡。
日本海の個体が淀川水系まで遠征に来たかもしれない」との説だった。
私たちは興奮覚めやらぬまま、オオワシの夢でも見ようと床に就いた。

そして翌朝。
夢など見ぬまま激しい衝撃で起こされた。
テレビ倒れ、箪笥が倒れ、食器がめちゃくちゃに割れた。
でもみんな無事だった。寒かった。

あれから12年。
どうしてあの日、オオワシは万博上空なんぞに現われたのだろう?
なにか震災とでも関係あるのだろうか?
オオワシを見ると今でもあの日のことを思い出す。
私はまだ生きている。

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