かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

ハイイロゲンゴロウ



一昨日、某大学屋上で仕事をした。
雨と霧で視界が取れない。
排水溝の水溜り。よく見ると何かが泳いでいる。
ゲンゴロウ?ハイイロゲンゴロウ
こんなところで潜水を繰り返している。
どこからきたのだろう?

私は昆虫のこと、何も知らない。ただタガメゲンゴロウには翅があり、飛べる事は知っている。
以前、昆虫写真家がスタジオでタガメの撮影を終え、
灯りを消して真っ暗にして帰った翌日、水槽のタガメが行方不明になった。
スタジオじゅう探し回ったら、片隅の水の張ったバケツに移動していた、
という話を聞いたことがある。タガメは水の在りかをどうして察したのだろう。

雨は上がり、天気は回復。陽が射しはじめた。
排水溝の水溜りは次第に干上がってゆく。
でも私は心配はしていなかった。
彼(彼女?)は飛べると信じていたからだ。
ただ水道水をペットボトルに汲んで「補充」はしたが。
ハイイロゲンゴロウはプールにも入る。
水質には強く、しかも翅が濡れていても飛べるという。

翌日、同僚が同じ場所へ。
ゲンゴロウはいなかった。死骸もなかったらしい。
やはり飛んでいったのだろう。
こんなこと、ハイイロゲンゴロウにとっては「日常茶飯事」のことかもしれない。
やきもきしたのは私だけなのか。
でもすこし安心した。

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