逃げないで、ホオジロ
ホオジロが梅の木でさえずっている。
チョッピーチチ ピッツーチリリ 聞きなしは「一筆啓上仕り候」だそうな。
どう聞いてもそんなふうには聞こえない。
ホオジロはごく普通の鳥だけど、いいなあ。
どうして鳥は逃げるのだろう?
猫や犬が近づいても逃げないのに、私が近づくと逃げてしまう。
ただ単にでかいからだろうか。
それとも狩猟時代の学習が刷り込まれ、今でも「敵」と判断しているのだろうか?
以前仕事で尾根上の林内でじっと座っていたら、
ヒガラがやってきて、靴紐を引っ張ったことがある。
季節は春、多分巣材選びで夢中になっていたのだろう。
それからなおさらヒガラが好きになった。
どうやら私は人間である事を辞めて、「物」になるしかないのだろうか。
体じゅうに枝を差し込んで一日動かずじっとしていれば
私の枝に、いや腕に止まってくれるだろうか?
私は決して危害を加えない、キミと仲良くしたいだけなんだ。