かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

ネムの花

田んぼの真ん中に一本のねむの木。
風に揺れている。

誰が植えたのか。
どんな気持ちで植えたのか。
田仕事で疲れた腰を持ち上げて、
ふと見上げた空に花火のような赤い花。
疲れを癒すひと時になればと植えたのか。
それとも風が偶然運んできたのか。





私には思い出がある。
12年前、暗い斜面に身を委ね、見続けていた彼(彼女)。
その傍らにネムの花が咲いていた。

毎年、ネムの花が咲くと思い出す。

今も
どこかの森で
元気に暮らしているだろうか…。




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