かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

こじろうへ

物心ついた頃から我家には犬がいた。
それは親父がどこかでもらってきたり、拾ってきたりした犬。
名前は代々いつも「ジロー」。
 
12年前、娘が一目惚れした子犬。
あまりに小さいから小の字を付けて「小じろう」と名付けた。
 
我家のこじろう。12歳6ヶ月。
人間の年齢に換算すると64歳とか74歳とか。
私の歳を超えたのか、超えていないのか。
そんなことどうでも良いけど。

 
12年かぁ
いろんなことがあったね。
「飼い主」の娘の一人暮らし。
お袋、兄、親父の順に亡くなって。
何故か今は息子と同居。
 
キミの知り合いでもぼんちゃんが逝った。ヘンリーも。
最近はななちゃんを見ない。
 
キミにとっていちばんの朗報は持病と言われた慢性の下痢が治ったことだろう。
療法食のPHコントロール(家禽系肉)からクリニカルダイエット(魚肉系)に替えて
半年、週一回必ずおきていた下痢がピタッと止んだ。12年間、辛かったね。
けれど雷が鳴るとブルブル震える性格は治っていない。
体重2.8kgベストコンディション。白内障の心配もないらしい。

 
最近、「丸く」なったような気がする。
今までは愛想しなかった人に尻尾を振って近づいてゆく。
吠えていたオス犬にも「クーンクーン」と鼻を鳴らして寄り添う。
目元にほうれい線が入り、
「酸いも辛いも噛み分ける」歳になったのだろうか?

 
犬はペット。
人の愛情なしでは生きてゆけない。
その代償としてどれほどの癒しと安らぎと笑顔をもらったことだろう。
あと何年?この幸せが続くのか?
「その時」を覚悟しなくてはいけない歳になってきたのだろうか?
 
こじろう、長生きしてくれよ。

 

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