かけす・くらぶ

身近な生き物たちの出会いと「すい臓がん」闘病記

しゃしゃんぼ



きのう、しゃしゃんぼを食べた。
久しぶりだった。
懐かしい味が口中に広がった。

子供の頃、山の中のおやつは木の果実。
しゃしゃんぼはよく食べた。
もちろんその頃、名前なんて知らなかった。
よく似た黒い実はほかにもあった。
ナツハゼ、ヒサカキネズミモチ…。
名前なんて知らなかったけど、
「食べられる」か「食べられない」かで識別できた。
いちばん美味しいのは「木いちご」だけど、
冬のこの時季はフユイチゴの次にしゃしゃんぼが美味しかった。
鈴なりの枝を指でズルズルむしり取って、まとめて頬張る。
酸っぱいが甘い。
ブルーベリーを小さく、野生化したような味。
種子も小さくて吐き出す必要もない。

しゃしゃんぼはツツジ科スノキ属の常緑小高木~高木。
暖温帯に分布。北日本にはないらしい。

しゃしゃんぼ。名前が面白い。
小さな坊、ささんぼ(小小ん坊)から転訛したという。
小さな坊ってなんだろう?
実のことだろうか。

それにしてもこのたわわに実った果実。
鳥は食べないのだろうか?
もっと熟れるのを待っているのだろうか?
それとも鳥のメニューにも順番があって、
しゃしゃんぼは最後のデザートなのかもしれない。

スターマーク