五郎さん。
「黒板五郎」こと田中邦衛さんが88歳で亡くなられた。
ドラマ「北の国から」の始まりは1981年10月から1982年3月まで、フジテレビの金曜劇場で22時から放映されていた。
あの頃私は30歳過ぎ。サラリーマンで団地住まい。すでに結婚していて、子供がおり、上が息子、下が娘、ちょうど純と蛍のような年齢で、自分の立場と置き換えて観ていた。
雪子おばさん(竹下景子)、涼子先生(原田美枝子)、草太兄ちゃん(岩城滉一)、中畑のおじさん(地井武男2012年70歳没)、中畑のおばさん(清水まゆみ)、清吉さん(大滝秀治2011年87歳没)、笠松杵次(大友柳太朗1985年73歳没)、正吉(中澤佳仁)、正吉の母みどり(林美智子)、純と蛍が捨てられた靴を店頭で探している時に声をかけ一緒に探した警察官(平田満)、三日月食堂の店員(キネマ旬報主演女優賞伊佐山ひろ子)。五郎の名セリフ「子供がまだ食ってる途中でしょうが!!」。れいちゃん(横山めぐみ)、トラックの運転手(古尾谷雅人2003年45歳没)。泥の付いた壱万円札2枚を「記念に取っておけ」と純に返す。菅原文太2014年82歳没、大地康雄、宮沢りえ、内田有紀、唐十郎、岸谷五朗、杉浦直樹2011年79歳没。
あれからもう40年近く経っている。亡くなられた方も多いのに、何ひとつ色褪せていない。
2002年「遺言」でのラストシーン。純のつぶやきがすべてを語っている。
恥ずかしいくらい父さんは泣き
恥ずかしいくらい父さんは走った
でも僕はその父さんに感動していた
父さん、あなたは素敵です
あなたのそういうみっともないところ、昔の僕なら軽蔑したでしょう
でもいま、僕は素敵だと思います
人の目も何もいっさい気にせず、ただひたむきに家族を愛すること
思えば、父さんのそういう生き方が僕や蛍をここまで育ててくれたと思います
そのことに僕らは今ごろようやく少しだけ気付き始めてるんです
父さん、あなたは素敵です
五郎さん、おつかれさま。
ゆっくり休んでください。