「ハワイヒドリ?」
近所の公園にカモが来ています。
その中で1羽、珍しいカモがいます。
このカモ、ヒドリガモとアメリカヒドリとの交雑種の雄と思われます。
日本とアメリカの間だから「ハワイヒドリ」なんて、勝手に呼んでいます。
彼はいつ頃からこの池にやって来たのか?過去の画像を調べてみました。
そして2017年2月10日に撮影した画像が見つかりました。よく似たアングルがあったので、今年の個体と並べてみました。
そっくりです。
頬、首筋の黒班の違いはあるけれど、これは同一個体ではないかと私は思います。だとしたら、彼は4年以上は生きている、ということになります。彼はこの池に戻ってきたのです。そしてまたひとつ、疑問が湧いてきました。彼は「繁殖」できているのでしょうか?お相手は誰?ヒドリガモ?それともアメリカヒドリ?
ヒドリガモ Anas penelope は
旧北区と呼ばれるアイスランド、スカンジナビア半島、シベリアからカムチャツカ半島までのユーラシア大陸で繁殖。
脇羽は灰色とあります。
アメリカヒドリ Anas americana は
新北区アラスカ、カナダ、アメリカ北部で繁殖。
脇羽は白色とあります。 検索画像から拝借しました。
彼の脇羽。羽軸の片側だけが白いような。
山渓ハンディ図鑑7「日本の野鳥」(山と渓谷社刊)にヒドリガモとアメリカヒドリの交雑個体について、こんな記述がありました。「ロシアの鳥類学者コンドラチェフ博士によると、シベリア東部のヒドリガモの繁殖地にはアメリカヒドリも多く、交雑はふつうに行われているという」。
異種間の交配によって生まれた交雑個体を「ハイブリッド」、いわゆる雑種と呼びます。野外でもしばしば観察されます。例えば、2種の中間的な色や形状をしている点から交雑個体だと推測されます。
また第一世代を遺伝子学では「F1」(Filial One)エフワンと呼びます。F1は一世代限りで、次世代は生まれない(交雑同士では交配できない)と言われていますが、鳥、特にカモの世界では、雄に生殖能力がある場合があるそうです。要するに雑種のカモは雄のほうが生き残れる可能性が多いのだそうです。
彼の父親はアメリカヒドリで、そして母親はヒドリガモ、という推測が立てられます。
なんか、難しい、ややこしい話になってきました。
とにかく、彼は4年以上生きていて、途中、迷ったかもしれないけれど、ここに戻ってきたと信じたいです。
カモは冬期、北へ帰る前につがい形成するといわれています。彼の傍に彼女がいるのでしょうか?次は目を凝らして探してみたいと思っています。